誇り高きシンドリアの梟

□おねだり
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「ねーシンー」

「駄目だ」

「まだ何も言ってない」

「お前なぁ、グルタニア国はシンドリアの大事な交易相手だぞ?」

「ふーん、私襲われたんだけどなぁー」

「拗ねるなよ」

「拗ねてないよ?癇に障っただけ」

「全く、おまえなぁ」



アルディアを襲ったのがグルタニア国の国王に雇われた盗賊だと知ったのは

捕らえていた女が死んでから直ぐの事だった

ジャーファルの話に俺が声を上げたのが彼女の耳に入ったのだろう

それからというもの此処一週間近くアルディアは俺の仕事場に来ては

国を潰す許可をせがんで来る

せがむ姿は可愛いのだが如何せん話題がな……



「いつまた、牙を向くか分からないじゃない、危ない芽は早めに摘んだほうがいいと思うの」

「アルディア」

「む〜だって、むかつくわ!部屋に入ったらいきなり薬品かがされて気が付きゃ船の中なんだもの!」



相当プライドを傷つけられたようで

見たこともないくらい殺気が纏わりついている
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