誇り高きシンドリアの梟
□魔装
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夜の森は闇が一層濃くなる
頭上を見れば生い茂った木々に遮られ星すら見えない
まぁ、今からやる事にとってはとても好都合なのだけれど
「快楽と怠惰の精霊よ。
汝に命ず。
我が身に纏え我が身に宿れ。
我が身を大いなる魔人と化せ、ストラス!」
漆黒のローブ、闇色の羽衣
背に生えた大きな翼を羽ばたかせる
ふわりと宙へと舞い上がる
―――魔力量に注意しろ
「分かってる」
気流に乗って空高く上る
「これが……シンドリア……」
上空から見る国は酷く美しかった
―――上出来だ
「やっと、やっと、完成した」
―――お、おい馬鹿気を抜くな!
「あっ!」
嬉しさの余り気を抜いたら
一気に下へと落下していく
突然の事に思考が追いつかない
ああ、このまま激突して死ぬなんて何て惨め