誇り高きシンドリアの梟
□喧嘩
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やっと思いが伝わって恋人同士になった
かれこれ一ヶ月が経とうとしてる
「ジャーファル、貴方いい加減になさいよ」
「うるさいですよ、貴方には関係ない事です」
「十分でも五分でもいいから休憩を挟めって言ってるの」
「時間が惜しいんですよ」
「休憩入れないと効率悪くなるってご存知でしたおばかさん」
「誰に向かって口聞いてるんです?」
「目の前のお堅いおばかさんによ」
バチッとアルディアとジャーファルの間に火花が散る
次いでガシャンという音に執務室の温度が一気に下がる
「口でモノは言っただけで手は出してないはずだけど……?」
「っ、」
酷く静かな口調で目の前のジャーファルを睨むアルディア
彼女の頬からは彼が投げたペンで出来た真っ直ぐな赤い線
其れはしだに溢れ頬を伝い床を汚す
「もういい、心配した私が馬鹿だったわ」
「まっ、アルディア!」
呼び止める声とバタンと乱暴に閉められた扉が重なった
「今のは、ジャーファル様が悪いですよ」
「返す言葉が無いよピピリカ……」
はぁああと重い溜息をついて机に突っ伏す
「少し休憩をお取りになってください、後は私達で進めておきますから」
「そうするよ、ありがとう」