青エク

□いねむりボーイとこくはくガール
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「寝てる」

寝顔を見るのは初めてかもしれなかった。あたしの肩を枕に寝ている勝呂は案外可愛らしい、幼い表情で、安心しきっているみたいだった。うん、嬉しい。だって、熟睡しているってことは、安心しているってことは、あたしを信じてくれているってことでしょ?

動かさないように注意して、そおっと右手で髪の毛に触れる。それから頬っぺたに。勝呂がいつもあたしに触れる時みたいに、そおっと、そおっと。壊さないように。勝呂は優しい。あの顔に似合わず、なんて言ったら失礼だけど、いつだって真剣で、優しくて、それでいてあたしのことをきちんと想ってくれている。名前を、呼んでくれる。

「ね、勝呂。嬉しいよ。好きだよ。大好きだよ。」

小さく呟いたら勝呂の頬っぺたが仄かに赤く染まった。バーカ、起きてたのか。額にでこぴんをしてやって、そっぽを向いたら後ろから温かい腕が伸びてきた。あたしの顔もきっと赤いね。





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(寝てるふり貫いてよバカ)(スマン。耐えられんかった)(もう、本当に、恥ずかしいったらありゃしない)(ほんなん、俺もや)(だーっ!もういいよいいよ、あんたに抱き締めてもらったしそれでチャラ!)(愛理、)(っ!)

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