青エク

□髪の毛の色
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愛理は志摩の柔らかな、癖のある髪の毛が好きだった。
また志摩も志摩で愛理の墨のように黒い、それでいて明るく艶のある髪の毛が好きだった。


「ねぇ、髪の毛もふもふしてもいい?」


愛理がそう問えば志摩は只でさえたれ目と呼ばれる瞳をだらしなくも垂れさせ、頬を緩ませて愛理の背丈に合うように頭をもたげる。愛理の方が身長が幾分か低いからこうしなければ届かないのだ。


「やわらかーい!」
「好きやねー」

(俺っちゅーより、俺の髪の毛…)

括弧内は勿論口には出さなかったけれど、志摩は何時だってその考えを持っていた。何だか少し悔しかったりもする。己が己の髪の毛に嫉妬だなんて我ながらバカな話であると自覚はしているのだけれど。

「だってね、志摩くん。」
「何です?」
「志摩くんのこの髪の毛って、柔らかくて、それでいてこの優しい色をしているでしょ?まるで私が志摩くんに対して抱いているものとそっくりなんだもん。」

えへへと笑う愛理の声が頭上で聞こえた。
言葉を噛み砕いていくと志摩はやっぱりそのたれ目を更に垂れさせたのだった。






髪の毛の色


(あ、志摩くんの顔も少しだけ赤いねー)(そないなこと言う愛理ちゃんの顔かて赤いですよ)(えへへ、お揃いだね!)





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まだ書きなれないっすっ!
精進精進っ


110523

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