青エク
□ネガティブガール
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しえみちゃんはものすごーくいい子。少しだけ世間知らずかもしれないけれど、そこがまた愛嬌があって可愛い。坊ちゃんだって廉ちゃんだって子猫ちゃんだって、燐ちゃんに雪ちゃんもきっと皆に好かれてる。だってそれだけ可愛い。
出雲ちゃんは気が強くて、苦手な人は苦手なタイプかもしれないけれど、本当はすっごくいい子。真面目だし、勉強は出来るし、すらりとスタイルも良い。運動だって出来ないわけじゃあないから、料理はあまり得意でなかったとしても、器用な方だと思う。
朴ちゃんは控え目だから、言い方は悪いけど、地味で目立たないかもしれない。だけど、心が優しくて、誰にでも微笑んでくれる姿はまるでマリア様。うーん、大袈裟か。だけど、朴ちゃんは本当に、そんなマリア様の微笑みでみんなを魅了するから色んな人から好かれてる。きっと彼女を嫌う人はいないよ。だって彼女が人を嫌わないから。
ほらね、こうして考えていくと、みんな長所が沢山。みんないい子で、私だけが置いていかれてるみたい。だって私には特別秀でたところなんてないわけだし、性格だって良いと言えなくて、運動も勉強も特別出来るわけじゃあないもん。だから頑張らなきゃいけないよね、集中、集中、私が手抜いちゃあ皆の足手まといだよ。
「お前バカだろ」
「バカだよ。燐ちゃんよりはマシだって思いたいけど、やっぱり私が一番バカかもね」
「わかってねぇな、お前にだって良いとこあるぜ」
「まさか。私はこうやってうじうじうじうじ。燐ちゃんも知ってるでしょ」
「知ってるさ。お前は他人の長所をそうやって見つけることが出来る。それって立派な長所だろ」
私なんかにこうやって声をかけてくれるから、私ってば期待しちゃうの。燐ちゃんはああやって言うけど、良いところなんて私一つもないから、絶対あり得ないのに。どうすれば、どうすれば、釣り合える女の子になれるだろう。
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(考えたってはじまらないのにね)