青エク

□キミの笑顔に首ったけ
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「いやぁ、面白かったね」

「そう、それは良かった」

愛理は所謂僕の彼女という位置に立つ女の子で、今は世間的に云うデートの途中。定番でもある映画を見終わり足を踏み入れた喫茶店で彼女はオレンジジュースとティラミスを、僕はアイスコーヒーを頼んだわけなんだけど、もうかれこれ一時間程、愛理の映画感想に付き合っている。流石にアイスコーヒー一杯じゃあ店の人の視線が冷たい。愛理はまったく気にしていないみたいだけど。まったく、あの映画のヒロインはこんなに能天気じゃなかったよ。

「ねぇ、雪男、聞いてる?」

「聞いてたよ。それで?」

「うん、それでね。」

まあ、あの映画のヒロインはこんなに魅力的な笑顔を浮かべやしなかったけどね。なんてったって、僕は彼女以上の笑顔を見たことがない。決して美人とは言えないし、アイドルみたいに可愛いわけでもない。けど、なんというか、こんなに楽しそうな顔をする人、愛理だけだ。

「コーヒー、おかわり下さい」



情けないことに、僕は彼女にばっかりは勝てない。
まだ愛理の声を聞いていたいからコーヒーをおかわりした、だなんて、本当に僕も子供だな。





キミの笑顔に首ったけ

(でさ、びゅーんってなるんだよね)(もう少し国語を頑張ったらどうだい)(うっわー雪男、空気読んでよ、私は今、あんたとの時間を大切にしたいの!勉強じゃなくてね。)(僕のことしか考えたくないと?)(ばぁか、ほくろ眼鏡)(顔が真っ赤だ)

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