夢制作

□元女装男子と百合女
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悩める女装男子。2


彼女との出会いは小学校の頃。
まだ女装していた頃だ。

放課後、真っ赤になりながら彼女は俺に告白してくれた。

『好きですっ!』

俺の女装は完璧だった。
顔が(不本意だが)可愛いというのも災いし、誰もかれも男だと気づいていなかった。

そんな中で、彼女は俺を男だと分かってくれた。
その瞬間、すごく感動した。

しかし、それは思い違いだった。

『女の子が女の子のこと、好きっていうのはおかしいかもしれないけど…それでも好き…!』

「……俺は男だっ!!」

『え?!そんなに可愛いのに?!』

「…ほらっっ!」

バッとカツラをとった後、彼女は

『告白はなかったことにして下さいっっ!』

そう言って走り去った。
それをきっかけに仲良くなり、今にいたる。

『あのふとももに顔を挟まれたいよね!』

「はぁ。」

いつもこんなかんじの名前。
精神的につらい。
例えば男子に恋をしてくれたら、俺にも可能性があったかもしれないのに。
女子を好きになるのなら打つ手はない。

…いや、打つ手はある。
ただその方法が俺のプライドを粉々にするのだ。

『…由利。』

「駄目だ。」

『なんでーー?
まだ何も言ってないよ!』

「どうせ女装だろ!」

『なぜ分かった…!!
ユーリちゃん可愛いのに!』

「やらない!」

『よーしーとーしー!!』

「次のテストで俺に勝てたらな。」

『無理に決まってんじゃんバカ!』
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