夢制作

□クリシュナと偽物の恋人
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クリシュナ3  決める


「恋人って、どういう事したらいいのかな?」

本気で頭を悩ませるクリシュナ君は、その姿さえも絵になる。

『…どうなんだろ、私は恋愛経験ないからわかんない。』

そういいつつ、クリシュナ君をパシャパシャ撮る。
…少なくとも、
彼氏の写真を撮りまくる彼女
というのがおかしい事は分かってはいる。





昼休憩に恋人になる契約をしたはいいものの、細かい約束事はまだ決まっていないため、放課後に一度集まって決める事にした。
そして今の状況ができている。

「相手の事は名前で呼ぶ。」

『んーと、呼び捨て?』

「ご自由に。
僕は呼び捨てで呼ばせてもらうよ、名前。」

うぉ、すごく爽やかな声で名前を呼ばれた…
これがモテる奴のテクなのか?

『わかった、クリシュナ。
あ、写真のことは?』

「基本的に、いつでもとっていいよ。
怪しくない程度にね。」

クリシュナの写真を撮れることは、私の利点の一つだ。
一緒にいられる時間が長いため、様々な写真を撮る事ができる。
恋人契約が終われば、数人の常連客に売りつけるつもりだ。

『りょうかーい。
あ、そうだ、も一つ提案!』

私の言葉に窓の外のカップルをぼんやり観察していたクリシュナが振り向く。

『もし、好きな人ができたら、別れる!』

「というと?」

『まぁ私は無いとは思うけど…もし他に好きな人ができても、付き合い続けてたら誤解されるでしょ?だから。』

これは一つの安全弁だ。
もしもの話だが、仮にクリシュナがかなり頭のおかしなやつで、私が仮の恋人をやめたいと思った時、これを言い訳にしてしまえばいいのだ。

「なるほど。わかったよ。
じゃ、改めてよろしくね、名前。」

甘く微笑んだクリシュナから差し出された手を私はそっと握り返した。



(さあはじめよう、君との恋人ごっこ。)
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