変態女と加藤くん

□出会いは唐突。
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出会いは唐突。


『加藤きゅーんっ!!』

「…げ。」


加藤光希15歳。
只今、男ながら変態に付きまとわれています。




事の始まりは最初の蝕のときだった。


この学校は空に浮かぶ島の見える者だけが入学できる特殊な学校だ。


生徒は入学式の後に紙に
『戦う為の文字』
をかく。


オレは入学する以前にその事を知っていた。


教師から紙を配られた時も別段迷うことなく、

と書いた。


戦う相手にはおかしな能力を使ってくる奴もいるらしいので、それらを消してしまえばいいと思ったからだ。




そして蝕が始まった。
ゲームとかに出てきそうな、恐竜の様な化け物ーー始。


この化け物達に消はあまり意味が無いと判断したオレはそいつらの攻撃をいなしつつ、蝕が終わるのをまっていた。


その時、女生徒が1人うずくまっているのが見えた。

どうして目がいったのかは、彼女がとても可愛い顔立ちをしていたからなのだがーー


ともかく、オレは敵の攻撃をよけつつ彼女に近づいた。
(その時周りに何人か強い生徒がいて、化け物はほとんどいなくなっていた。)


「…大丈夫?」

今思えば、声をかけるべきではなかったのだが、その時オレは彼女に声をかけた。


顔をあげた彼女は泣いていた。オレは呑気に、何も知らずに入ってしまった生徒なんだな、と思っていたが、違った。


『…お…か……た…!』

彼女は切れ切れに何かを喋る。

「え?」

オレが聞き返した時、パッとあたりが白に埋め尽くされる。


蝕がおわった。




しばらく呆然としていたが、ハッとなって女生徒の方を見る。


彼女はこちらを見ると、

『おなかすいた』


そうぼんやり呟いて、パタリと倒れる。


地面にぶつかる直前に彼女を受け止める事に成功したオレは、さっき彼女がいった言葉
に首をかしげる。


そして小柄な彼女を背負うと、取り敢えず医務室に向かって歩き出した。


道中、あまりの軽さに驚いた。


医務室について教師に診せると、寝ているだけだ、と一蹴された。


仕方なく彼女を背負ったまま食堂に行った。


彼女を席におろすとその衝撃で起きたのか、端正な顔立ちがこちらをみつめた。


「あ、えーと、大丈夫?」

しゃがんで目線をあわせて聞くと、彼女は目を見開いて、

『君の名前は?』

と聞いてきた。

「加藤光希です…?」

彼女の質問を不思議に思いながら答えると、彼女は顔をキラキラさせながら言ったのだ。


『…ヤバい。
加藤きゅんペロペロはすはすくんかくんかしたい!』


そして加藤君と女の子の恋物語ははじまr…ゴンッ

「へんなナレーションつけるなアホ。」

『そんなに照れなくても〜』

「照れてないわ!」


あの時食堂で大声で言われた一言で、目立たないように過ごしたかった学校生活は夢となった。




『ねぇねぇ加藤きゅんは何組?』

「…三組。」

『んもぅ!嘘つかなくてもいいじゃん!
私と同じ一組だよね?
んふふ、授業中も一緒だ!』

(知ってるなら聞くなよ…)

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