中編てきなもの
□5
1ページ/4ページ
あぁ、来ちゃったか。
ここは自分の部屋。
そしてポストに入っていたのは黒い封筒の手紙。
真っ黒くて趣味悪いなー。
いつも思う。
それでも封筒の中身を確認する。
岸村セイナ
「セイナじゃないのにねぇ。本当は」
任務内容
王族特務、通称零番隊が我々暗部を追っている模様
これは我々の行動の妨げと判断
よって零番隊隊長百瀬クロを暗殺するようここに命じる"
「・・・これは、」
どうする?
こんな任務やるわけない。
やりたくもない。
この紙を破り捨てようとした。
でも、でも、
「何でできないんだよォ・・・」
出来ない理由は分かっていた。
自分が岸村セイナだから。
「・・・フフッ・・・・」
それを認めた瞬間、ウチの中の何かが切れた。
「そうだよなぁ!黒鳥蒼なんてホントはいないんだ!!それなのに何で生きてるんだろうなぁ!?本当はさぁ!!本当はァ!・・・」
自分の両目から生ぬるいモノが流れ、視界が歪む。
呼吸も過呼吸気味だ。
「・・・岸村セイナなんだ・・・」