中編てきなもの
□←の続き
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〜蒼の部屋〜
「・・・」
『おいおいセイナさんよぉ』
頭の中から声がする。
またこいつか。
「何だ?」
『さっきのはひどいんじゃない?』
「どこが?」
『せっかくの再会っしょ』
「私はあんな奴は知らない」
『でもあの子はセイナにとても会いたがってたっつーか、セイナのこと好きだったみたいだよ?』
「他人から好意を抱かれるほど面倒な事はないな」
『うわー、一蹴かよ。じゃあなんで大嫌いとか言ったの?』
「さっきから質問が多いな。少し黙れ」
『いやいや、もうすぐ終わるから。んで、何で?』
「ああいう風にべたべたと纏わり付かれるのは嫌いだ。そしてそういう事をする奴も無論な」
『なるほどね』
「当然貴様も」
『ひどいぞ、不意打ち食らった気分だ』
「・・・」
『あっ無視かい。・・・そーだよねーセイナの好きな人なんて相馬さん以外いないもんねー』
「貴様、調子に乗るのも大概にしろ」
『おー怖い怖い。相馬さんの事になるとムキになるんだから』
「・・・」
『これで終わりにするから』
すると蒼から普段のふざけた面が消えた。
『セイナ、これだけは覚えといてね。・・・相馬さんの事、そして相馬さんから教えてもらった事、絶対に忘れちゃダメだよ』
「・・・貴様に言われなくとも、分かっている」
忘却の彼方から