中編てきなもの
□変われた
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「蒼、」
「どうしたのセイナ」
「・・・」
「ん?」
「・・・あの、」
「?」
「私はもうすぐ消えるらしい」
「・・・・え?」
「私の存在がもう少しで消える」
「何で?」
「さぁな」
「さぁなって・・・じゃあセイナがいなくなるってこと?」
「さっきからそう言っているだろう」
「・・・・うそ」
「いや。本当だ」
「・・・」
「お前は嬉しいだろう?お前の事を嫌っている奴が消えるのだから」
「・・・」
「・・・では私は」
「待って!」
「?」
「嫌だよ!セイナがいなくなるなんてさぁ!」
「蒼、」
「ウチは嬉しくなんかない!悲しいよ!急に消えちゃうなんて、そんなのあんまりだ!ウチはまだセイナに何もしてあげられてないし!・・・まだ、」
「泣くな」
「だって!」
「・・・ありがとう」
「!」
「蒼がいてくれたおかげで、私は少し変われた気がする。ありがとう」
「セイナ・・・」
「ではな。・・・お前は消えるなよ」