中編てきなもの

□プレゼント
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〜副官室〜

「ひっさぎさーん」

「何か今日テンションおかしくね?」

「あー、そういうツッコミはなしで」

「はいはい。で、どうした?」

「お誕生日おめでとーございます」

「どーも」

今日は8月14日、つまり檜佐木さんの誕生日。
とりあえず祝うのは当然でしょ。

にしてもリアクションうっすいなー。
まぁ理由はなんとなくわかる。

「ちなみにプレゼントはありません」

「え?」

「いや、もう色んな人(特に女の人)から貰ってるんでしょう?」

あげるまでもない。

「あぁ。何でみんな俺の誕生日知ってるんだろうな」

ウチが言ってますから

お前か!

本当は乱菊さんとかもいるんだけどね。

「だって聞いてくるんですもん。しょうがないじゃないですか」

「何を好き好んで俺の誕生日なんか聞くんだろうな」

「さぁ?理解に苦しみます

「それひどくね?ちょっとひどくね?」

あっ拗ねた。

「・・・・ん?これ十二番隊に届ける書類・・・蒼、渡してきてくんねーか?」

「やですよー」

「てめぇ上下関係というものを知れ」

「十分知ってるつもりっす」

「どこがだ!」

あれ?
ここまで忠誠してる方が珍しいと思うんだけど。

トントンッ

「はーい」

「何で蒼が返事してんだ」

別にいいじゃないっすか。

副官室に入ってきたのは阿近さん。
小さな箱を手に持ってる。
またなんか作ったのかな?

「よぉ。蒼も一緒か」

「あ、はい」

「阿近さん渡しに行こうと思ってた書類があるんですけど」

「ん?・・・これか」

書類を読んでブツブツと言ってる。

「で、阿近さんは何しに来たんですか?」

「あぁ、檜佐木今日誕生日だろ」

「阿近さんまで知ってるんですか?」

「有名だからな。んで、プレゼントって訳よ」

そう言って檜佐木さんの机の上に手に持っていた小さな箱を置いた。

「・・・・これ、何すか?」

「開けてからのお楽しみってことで」

「毒とかは?」

「入ってねぇよ。じゃあ俺は戻るわ」

ひらひらと手を振って部屋から出て行った。

「檜佐木さん、開けてみたらどうですか?」

「あぁ」

恐る恐るといった感じで檜佐木さんが箱を開けると、そこには何の変哲のないクッキーが入っていた。

「・・・・蒼、最初食えよ」

毒見なんてしたくないです

副官命令で、頼む

「必死か!てかそれ檜佐木さんへのプレゼントなんですからウチは食べませんよ」

「・・・いや、ぜってーなんかあるぞ」

「まぁまぁ、阿近さんは何もないって言ってましたし、信じたらどうですか?」

「・・・」

無言で箱を持ちながら立ち、何の意味があるのか分からないが副官室にある来客用のイスに座った。
ホントに何の意味があるんだか

「・・・よし、食うか」

「どーぞ」

檜佐木さんが一枚クッキーを食べる。
そして飲み込んでジャスト3秒。

異変は起きた
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