中編てきなモノ

□戸閉様より
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岸村セイナ(黒鳥蒼)

瀞霊廷裏組織暗部副隊長兼護廷十三隊九番隊三席

普段は黒鳥蒼として九番隊に所属。
上司、部下共に厚い信頼を得ている。
常にへらへらしていて何を考えているか分からない。
表情の変化があまり感じられない。
だがこれは演技にすぎないのかもしれないため以後調査の必要性あり。

岸村セイナとしては通常深夜に行動。
死覇装とは少し違う全て真っ黒な装束を身にまとい、後ろで髪を一つに白い紐で結わいている。
全く存在は知られていない。
表情は一切変わらず、虚無的な存在。
黒鳥蒼と岸村セイナ、どちらが本物なのかは不明。
調査結果として暗部の命により特定の死神、および魂魄を殺害している模様。
これについては尾行する必要あり。"

パタン

こう書かれている手帳を閉じた。

現時刻は深夜1時。

僕は今ターゲットを尾行している。
自分のために。
自分の探究心のために。

今日こそは、岸村セイナの・・・

スッ

「貴様、何故私の後をつける?」

後ろから聞こえる声。
僕の首の前で月の光で光る刃。

あぁ、失敗した。

でもそっちの方が好都合かもしれない。
なんせやっと会えたんだから。

「答えなければ殺す」

「それは君にはできないでしょ?だって命令に僕に殺せっていうのはないからね」

「・・・何?」

「君は命令じゃないと動かないでしょ?」

「なるほど。私について調べたということか」

「うん。ついでにもう一人の君についてもね」

「貴様は何がしたい?」

「君のことをもっと知りたいんだ」

「・・・」

「まぁでも君のことは子供の頃から知ってるんだけどね、セイナちゃん」

セイナちゃん―
そうだ。
僕は流魂街にいた頃、よくこの名前を口にしていた。

流魂街の悪魔としてみんなから恐れられ、嫌われていた。
でも普段の君は明るくて、いつも笑ってて、そして何よりも可愛かった。
そんなセイナちゃんが僕は大好きだった。

でもある日セイナちゃんは死神になるため流魂街からいなくなった。
だから僕ももう一度会いたくて死に物狂いで勉強して死神になった。
でも岸村セイナ"なんて名前の死神はいなくて、代わりによく似た黒鳥蒼"を見つけた。
それから独自で調べていって、やっとたどり着いた。

「やっと会えたね、セイナちゃん」

僕は刀と自分の体との距離を上手く使って振り返り、そのまま抱き着いた。








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