中編てきなモノ

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次に目を覚ましたのは、見知らぬ場所。

てっきり四番隊だと思ったが、違うような気がした。

自分の体には包帯がいたる所に巻かれている。

あぁ、生きたのか。

もう生きる気力はない。

あそこでのたれ死ぬ気だった。

自分は大切なものを失った。

狂気も操れなかった。

そんな自分は生きてていいのだろうか。

誰かが自分の病室に入ってくる。

入ってきた人を見たが、誰だか分からない。

「お前は何がしたい?」

入ってきた男は自分に聞いてくる。

何も、と答えた。

「何故だ。生きているのに」

別にあそこで死んでもよかった、と答えた。

「生きたいと思っても生きられない者もいるのにお前はそんなことを言うのか?」

関係ない、と答えた。

「・・・お前はこの後どうするつもりだ?」

さぁ、と答えた。

「ならば私と共に来い」

何故、と答えた。

「お前が必要だからだ」

なるほど、と答えた。

「だが、一つ条件がある」

何だ、と答えた。

「お前は人を殺せるか?」

殺せる、と答えた。

「そうか。お前の名前は?」

名前・・・・。

「岸村セイナ」

「いい名だ。それではこれからセイナを我が暗部へと招き入れようではないか」

私は岸村セイナ。

私が生きる目的はただ一つ。

この人に従う。

それ以外はない。
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