中編てきなモノ
□院生編
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一回生の現世で起こった事件が、今騒がれている。
引率した六回生の内の2人が死亡。
1人は右目に重傷。
そしてその生き残った1人は優等生と言われていた。
なのに2人を救えず、その人だけは生き延びた。
何故2人も守れなかったのか。
本当は優等生なんてものではなかったのか。
2人ぐらいなら守っても当然なんじゃないか。
実は1人だけで逃げたのかもしれない。
その1人は弱かった。
「あ〜・・・うぜぇ」
ウチは、その1人とか優等生とか69とかの代名詞で呼ばれている人物と少なからず関わっている。
よってその人、つまり檜佐木修兵がどんな人かぐらいは分かっていた。
これだから噂は信用できない。
しかも勝手に檜佐木さんを優等生と棚に上げたのはてめぇらだろーが。
そんで今度は弱い奴か。
あぁウザいウザい。
嫌気がさす。
「あの人って檜佐木先輩とよくいるよね」
「付き合ってるとか聞いたよ」
「うわー、趣味悪」
こっちまで飛び火か。
というか付き合ってないっての。
あーあ。
檜佐木さんの評価がもう最悪になってきてるんだけど。
でもそれをウチは止めることはできない。
もしも止めようとしたら必ずそいつらを―。
いや、やめよう。
考えるのはここまでにしよう。