中編てきなモノ
□院生編
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〜霊術院・廊下〜
「「あ」」
会ってしまった。
そういえばここは六回生の教室の近くじゃないか。
うかつだったぜ・・・。
「蒼じゃねぇか」
「あぁ、どーも」
「何だよそのつまんなそうな顔は」
いや、ね?
会っちゃったもん。
「別に大丈夫ですよ」
てかこんな風にフレンドリーに話しかけられると・・・ね。
檜佐木さんのことが好きな人がじろじろ見てくんのよ。
しかもウチは後輩。
あーあ、この先が思いやられる。
「檜佐木さん、嫉妬って知ってますか?」
「は?何だよ、いきなり」
「だって・・・檜佐木さんモテるんですよ?」
「あー」
すると当の本人は全てを察したかのようにニヤッと笑って、
「じゃあこういうことはやめろってか?」
いきなり抱きつかれる。
「えっえぇーーー・・・・!?」
この人なんも分かってねー!!
ほらほらほらほら。
周りの女子たちがざわざわし始めたよ。
ざわざわしてるよ。
「なーんてな♪」
スッと離して爽やかすぎる笑顔で言う。
「何がなーんてな♪ですか!今明らかに誤解生まれたよ!迷惑だよぉ!!」
「大丈夫だって(笑)」
「どこが!?」
「つーか蒼の方が誤解を生むようなことしてんじゃねぇか」
「え?」
「ほら、敬語忘れてるぞ」
「・・・あ」
先輩と後輩で敬語なしで話すのは、その二人の間で何らかの関係があるように思われる。
やっちまったぜ自分。
「蒼ちゃんどんまーい」
なんだろう・・・。
何かが終わった気がする。
その後は、蒼の身にはなぜか何もなかったので、とりあえず・・・良かったんじゃね?