中編てきなモノ
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「やめろ」
あろ少しで刃が俺の首に付くという時、黒龍の腕をつかんで止めた奴がいた。
「チッ白虎か。邪魔すんじゃねぇよ」
「殺すな」
「は?せっかく良いところなんだよ」
「良いところだと?人を殺すことがか?」
「あぁ。殺すことほど快感を覚えることはねぇぜ!」
「闇が・・・。とにかく殺すな」
「何でてめぇに指図されなきゃならねぇ?」
「黙って従え」
「やだね。なんなら白虎、お前から殺してやろうか?」
「殺される気はないが、戦う相手ならしてやる」
「そんな甘いこと、通用すると思うなよ。光の住人さんよぉ・・・」
そう言いながら黒龍は消えた。
白虎は俺の方に向き直り、
「蒼を救ってくれたこと、感謝する」
「いや・・・」
「お前にもう一度質問しよう」
唐突に訊かれる。
「何があっても、いや、もうあったか。それでも蒼の傍にいられるか?」
笑う場面ではないのに、俺は少しだけ笑ってしまった。
馬鹿だ、俺。
さっきまで何悩んでんだよ。
蒼と会うのが怖い?
ハハ・・・・。
「何度も言わせんな。当たり前だろ」