中編てきなモノ

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〜夜・瀞霊廷とある道〜

俺はまだ蒼とあの時以来会っていない。

正直どう接すればいいのか分からねぇんだ。

・・・怖いのかもしれない。

なんて思いながら角を曲がる。

そこには待ち構えたように一人の男が壁に寄りかかりながら立っていた。

「檜佐木修兵か」

龍虎や白虎に酷似しているが、こいつも違う。

白虎の真逆で身にまとっているものは全て黒。
両目はどちらともいかれている。

この目・・・そうだ。

蒼が何かに取りつかれた時と同じ目だ。

これに気づいた瞬間、俺はこいつに敵意を抱いた。

「そう睨むなよ。初対面の相手だぜ?」

口ではそう言うものの、顔はいかにも楽しそうに笑う。

「俺は黒龍。・・・あぁ、もう分かってるか」

黒龍。
蒼が闇に堕ちるために用いたあの真っ黒い斬魄刀。

・・・おかしい。
何故こいつは主人でさえも闇に堕とそうとするんだ?

今考えてみればおかしい。

「主人でさえも何故殺そうとする?」

「簡単なことさ。蒼も俺の標的に入ってんだよ」

より一層いかれた目を見開きながら黒龍は言う。

「いや、もっと言うと俺の標的は生きてる奴ら全員だけどな。ヒャハハハ」

いかれてやがる。

「蒼を殺したら、てめぇだって消えるぞ」

「何言ってんだ?俺は人に狂気がある限り生き続ける。その人間の狂気が俺の核になる!ハハハハハ!」

異常だ。

「ちなみにぃ、俺が今一番殺したいのは・・・・・檜佐木修兵」

黒龍がどこからともなく真っ黒い両刃剣を出し、剣先を俺に向けた。

「貴様と蒼が関わっていくうちに、あいつは狂気を閉じ込めようとする力が強くなってきちまった」

俺を傷つけないためか。

「全くウザってぇことこの上ない」

霊圧とは違う威圧感が発される。

「いや、」

笑みを増して、

「今ここで殺しちまってもいいんだよなぁ!!」

勢いをつけるため、俺からいったん剣先を離した。

そして両刃剣を横に振るう。

もちろん狙いは俺。
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