中編てきなモノ
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「蒼起きないよー」
「しょうがないでしょ?怪我人なんだから」
「帰るか」
「えー?もうちょっといよーよー」
外がうるさい。
「にしても蒼って寝顔は純粋そうだよね」
「そうだな」
「まぁ起きるとあんな感じだけど」
「純粋のかけらもない」
「それはひどくないですか、隊長」
「でも事実なんだよー」
お前ら人の目の前でそんなこと言うか?
失礼という言葉を知れ。
「おーい、蒼起きてー」
「無理だろそれは」
「いけるってー♪」
黙らせたい。
あれ?
どうやって黙らせるんだっけ?
そうだ。
目をまず開けるんだっけ。
蛍光灯の明かりが目に直接入ってくる。
「あっ起きた!」
「うっそー!?今ので!?」
ぞろぞろとウチの視界の中に顔が現れていく。
どれも見慣れた顔。
シロ、クロ、一護、朽木隊長。
「・・・うるさい」
「ひどっ!起きていきなりそれ!?」
「お見舞いに来たのに?」
お見舞い?
あ、ここ四番隊か。
で、ウチは入院してんの?
・・・・・・・そりゃそうか。
檜佐木さんだな。
ウチをここへ連れて来たのは。
「・・・起きるから邪魔」
「だからひどいって」
とか言いながらちゃんとどいてるじゃないか。
ゆっくりと起き上がる。
その時左の横腹に痛みを感じた。
そういえば刺したんだっけ。
「もー、びっくりしたんだよ。いきなり蒼が入院なんて聞いて」
クロはウチに訴える。
そうですか。
「現世で何があったの?」
シロは素で聞いてきた。
言えない。
「・・・虚が強くてな。やっぱなめてかかるもんじゃなかったわ」
嘘をつく。
それ以外この状況を抜け出す方法がない。
「なるほど。蒼の悪い癖が出たんだね」
「適当に戦いすぎなんだよ」
「もっと真面目に戦えって」
「檜佐木に戦いの心得を習わなかったのか?」
4人で一気に攻めるのはひどくない?
いくらなんでも。
あと全員あきれるのもやめてくれません?
視線がきついわー。
「見舞いってことは何か持ってきてくれたの?」
「いきなり!?」
だって攻め続けられるのは耐えられないんで。
話変えますよ。
すぐ。
「とりあえずくだもn」
「りんごー♪」
「「「・・・・・え?」」」
何でみんなドン引いてんの?
リンゴを見たから少しテンション上がっただけじゃん。
「いや、まさかあの蒼を見てあんなリアクションをするとは・・・」
「どうしたのあの子?本当どうしたの?」
「虚と戦って変なところぶつけたのか?」
「つーかあんな性格なのにりんご好き?」
「どうなってんだ?」
おい、あんたら。
部屋の隅に行ってこそこそ喋ってるけど丸聞こえだぞ。
ここ個室だから。
超静かだから。
はぁー。
本当にあの人達はいつも通りだ。
まぁウチもいつも通りだけど。
「ハァー」
「蒼何ため息ついてんの?」
「イヤベツニナンデモナイ」
「読みにくっ!」