中編てきなモノ
□D
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闇の世界。
思っていた以上に酷なところだな。
ただ黒い存在が広がっているだけで何もない。
精神がいかれそうだ。
「・・・どこにいる?」
「こっちだ」
白虎が真っ直ぐに走り始めた。
おれもそれに続いて走り始める。
「わかんのか?」
「主人の居場所ぐらい当然」
そうかよ。
やっぱり冷徹な奴でも蒼のことを心配してる。
走りながら白虎が俺に振り返らずに話し始めた。
「ここは蒼の精神世界でもある」
蒼・・・。
「あいつの魂が狂気にむしばまれているのが分かるだろ」
「・・・あぁ」
「お前が蒼を救うということは、この狂気からも救わなければならなくなるんだぞ」
白虎の言い分は分かる。
蒼が闇に堕ちそうになったから助けた。
その後は何もしない。
何て事が起こったら全ての元凶である狂気はどうする?
残された蒼はどうなる?
だからその状況になるを防ぐため、俺は・・・。
「分かってる」
「決意は固い、か。速度を上げるぞ。時間がない」