中編てきなモノ

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〜廊下〜

あ〜これはどの世界でも共通か。

今のウチの状況を説明しよう。
書類を持っている。
しかも2、3枚ではない。
結構な量を持っている。
したがって両手で持っているわけだ。

で、今現在。
副官室の前にウチは立っている。

なんで入らないんだって?

違うよ。

入れないんだ。

両手がふさがっててドアが開けられないのさ。

どうすっかなー。

足でガンガンやってもいいんだけどね。
つーかそれやりたんだけどね。
でも、檜佐木さん上司だよ。
それを忘れてはならない。
仮にも上司の人に

ガンガンッ

「檜佐木さーん、開けてくださいよー」

とはできないのが世間ってヤツだ。

しかも丸いドアノブ型だし。
ガシッと持って回さなきゃいけない型だし。

こういう時、ウチはこうする。

まず両手から片手に持ち替える。
この際に片足を上げて膝の部分を書類の底に添えるのを忘れない。

まぁ人に見られるとめちゃめちゃ恥ずかしい格好なんだが。
今廊下に誰もいないからいいだろ☆

さて空いた手でドアを開けよう。
結構この体制はきついもので、長時間持続は不可能。

トントンッ

ノックは忘れないようにしよう。

ガチャッ

空いた。
よしっ体制を元に戻そう。
普通に両手で書類を持とう。

「おう、どうした?」

部屋の奥の中央に檜佐木さんが座っていた。

つーか檜佐木さんのいる机が書類だらけなんだけど。
いや、ちゃんと整理されてるんだよ。
でも量の多さは隠せないってもんですって。

しかも書類は机だけでなく部屋全体にまで行き渡ってるわけで。
いたる所に書類の山が立ってる。

それでも整理整頓している檜佐木さんはすごいよ。

「書類届けに来たんですけど・・・」

「ん?」

「すごいっすね、ここ」

「何が?」

「いろいろと」

「うん、お前の感覚がわかんねぇ」

「さらっとひどいですね」

分かってほしかった・・・。

「その書類見せてみ」

「あぁ、はい」

ウチは檜佐木さんのいる方に歩いて、

「どうぞ」

机に結構な量の書類を置いた。

いやー、開放感がすごいね。
腕が軽い軽い!

するとウチが今置いた書類の四分の一ぐらいを取って見始めた。

って読む速度早っ!!
嘘でしょ?
これ書くのに30分ぐらい掛けたよ?

黒鳥蒼が今日知ったこと。
九番隊はデスクワークの技ならどの隊にも負けません。

「よし、じゃあこの書類を六番隊に持っていってくんねーかな?」

渡されたのは檜佐木さんが驚異的なスピードで見たウチが持ってきたものの四分の一の量の書類。

「分かりました」

「で、渡し終わったら今度は違う隊に届けに行ってもらうから」

「はい」

「蒼、」

「何ですか?」

「六番隊まで一人で辿りつけるか?」

「・・・・あ〜・・・頑張り・・ます」

「その答えからしてすんげぇ不安なんだけど」

「大丈夫っすよ。一番不安なのはウチですから」

「全然大丈夫じゃねー!」

「まぁ行けますよ。困ったら道行く人に聞きますから」

「あぁ・・・」

「そして最終的には雰囲気で行きます!」

「よし俺も行こう!今の一言で決めた」

「いや一人で行けますって」

「普通雰囲気では行けねぇよ」

「・・・ですよね」
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