中編てきなモノ

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〜渦の中〜

もーさぁ・・・・。

ここどこだよ?

てかこれ何?

訳分からんわー。

この渦って色んな色が混ざってるなー・・・。

変なところで冷静になってみる。

浮遊感が異常なほどにあるからどっちが上でどっちが下かもよくわかんない。

くっそー、シロが悪い!

とか人に責任をなすりつけようとしてたら頭の方から光が感じられる。

頭の方が下だった訳か。

そしてその光が眩しくなってきたので目をつぶる。









目を開けた時、広がっていたのはただ真っ白い空間。

渦の中ではないことは分かった。

だってさっきまでの浮遊感がないし、足がついている。

「よぉ」

後ろから低くて凛とした声が掛かる。

振り返って見ると、そこには
黒のスーツに白の第一ボタンをはずしたワイシャツ、緩めた黒のネクタイをしている一人の男がいた。
ちなみに身長は175pぐらい。
年は・・・20代前半って感じかな。

顔はよく見えない。

特に目の部分が。

ぼさぼさの黒髪のせいなのだと思う。

ぼさぼさ、というか大体はふんわりまとまっているが少々ツンツンしている髪型。

「・・・・・誰?」

「今はまだ答えられねぇが、いずれ分かる」

「へぇー。じゃあさっきの渦は何?」

「次元を超える通り道さ」

「次元を超える・・・?」

「そう。お前は今から以前の世界ではなく別の世界―異世界に行くんだ」

「はぁ」

ダメだ。生返事しかできない。

「お前からは異世界へ行く対価として、元居た世界の存在を貰う」

「じゃあ戻れないの?」

「そうなる」

ハハハ・・・・・きついな。

「だが行きたい世界があるのならば、行かせてやる」

「えっ?」

「ただし対価は取るがな」

「どんな対価?」

「選んだ世界のお前が持っている知識」

知識かぁ。

まぁ記憶全部とかよりは良いし。
下手に選ばなくて悲惨な世界に行くのもどうかと思うし。

「行く世界を選ぶよ」

「どこに行きたい?」

「じゃあ・・・・」

待てよ。
ここは一人だけじゃ心細いから・・・。

シロとクロが選びそうなところを選ぼう。

まぁ多分・・・

「BLEACHの世界で」

「分かった」

「あ、一つ質問」

「何だ?」

「死神みたいな体質になれるの?」

「あぁ」

マジですか。
てことは長寿だね。

「もう大丈夫」

「そうか。それではまた逢う日を楽しみにしてるぞ」

こう言われた時、その男の目が見えた。

一瞬だったから今のは見間違いであったと思いたいものだったが。

そしてまたウチは渦の中に入っていった。
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