中編てきなモノ

□番外編
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『うわぁ…ほんと何もないね。』

「それが六回生の女の肝試しでの第一声かよ…」

俺は今シロと臨海学校の肝試し中だ。
ちなみにちゃんと手は繋いでる。

『え、なに?一護、キャー!とかイヤァ!!とか言って欲しいの?』

「いや…そういう訳じゃねぇけど…」

確かに何もないけれど、
雰囲気はまぁなんかありそうだし?
シロはコワイもんとかねぇのかよ。

『一護〜』

「あ?」

『昨日の女の子達、水着姿可愛かったよね〜』

そう、これが俺の悩みの一つだ。
シロは俺の幼馴染みだが小さいときからキレイなお姉さんや可愛い子をみるとずっと騒いでいた。俺のおふくろや夏梨、遊子にもよく飛びついている。

あぁ、後誰にでも抱きつくんだ。
男でも女でも。

俺にも時と場所を考えず抱き着くから恥ずかしくてしょうがない。

「お前の水着も可愛かったと思うけど?」

『それって、水着の事褒めてる?アタシの事褒めてる?』

「さぁな。」

敢えて流してみる。
するとシロは手を繋いでない方の手で俺の手を繋いでる腕の肘あたりの服を引っ張る。

『ちょっと!!一護!』

「どっちでもいいだろ。
あ、なんか出そう。」

『話反らさないでよ!!お化けなんて怖くないから!!
で、どっちなの!?
……それともキレイでナイスバディでセクシーな水着着たお姉さんの方が好きだった?』

語尾が小さくなっていた。
この言い方だと水着は頑張ったみたいだな。
確か、白がベースの
上はリボンをモチーフにして真ん中にピンクのハート型のがついたやつだったか?
で、下はフリル状のにチェーンが付いててピンクで真ん中が水色の小さいリボンがあったっけ…。

てか、それ以前に俺はシロしか興味ねぇんだけど。
小さく溜め息をついてシロと向かい合う。

「どっちも。」

『へ?』

「水着も可愛かったけど、
水着着たお前のが可愛かった。」

………言い終わってから恥ずかしくなった//////
シロも真っ赤だし…
俺も真っ赤なんだろうな…

『ありがとう…/////
一護もかっこよかったよ?』

「サンキュ/////」

ガサッ
『ひゃ!?』

…………なにげにこわがってね?
さっき"お化けなんて怖くないから"って言ってなかったか?
繋いでる手も震えてるし、音がした直後すげぇ力入ったし。

「猫だよ。」

『ね、猫?』

「あぁ。」

『なんだぁ…』

俺の服を掴んで見つめてくるシロ。
ふと、目尻に涙が溜まってるのに気付く。

「なに泣いてんだよ。」

ククッと笑いながら言うと少しだけシロは頬を赤く染める。

『な、泣いてない/////!!
こわがってなにが悪いのさ!』

「逆ギレすんなって。」

そう言ってシロの目尻に溜まった涙を親指で拭き取る。
まぁさっき言ってた事は聞かなかったことにしよう。

あ、手離しちまった…
ま、問題ねぇよな。少しくらい。

『ありがとう…』

「どーも。早くしねぇと次の奴等が来ちまう。ほら。」

『ん。』

手を出してみると、
シロは指を絡ませてくる。

「皆にからかわれるぞ?」

俺はシロが俺の彼女だって言いふらせるからいいけどよ。

『別にいいよ?
一護がアタシのだって言いふらせるもん。』

「っ//////」

思考も似たりよったりだな。
そんな事を考えながら残りの道を歩いていった。


〜〜〜〜〜〜〜

『あ、おかえり〜』

『クロ!!ただいま。』

俺達が戻るとまず、クロが声を掛けてきた。

「……なんで恋人繋ぎしてんだ?お前ら。」

修兵先生が突っ込んでくる。
すると、皆の視線が俺とシロの手に集まる。

「なんでって…」

『だってアタシと一護、恋人だもん。ね?』

そう言って抱き着いてくるシロの頭を撫でながら答える。

「あぁ、そうだな。」

恥ずかしくないって言ったら嘘になるけど、
いつまでも恥ずかしがってたって仕方ねぇよな。
シロが彼女なら特に。

素直になるのは意外と大切だ。


さりげなく、少しだけ素直になろうかと悩んだ人が何人かいたらしい。
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