中編てきなモノ

□No.2
3ページ/10ページ


「このドアは外側からしかカギが使えねぇから・・・」

あーもうどうでもいい。さっき叫んだ拍子に立ったんだけどさぁ、フラフラし始めた。

ウチは部室にあるソファーにぶっ倒れ、ソファーに掛けてある毛布を自分にかけた。
この毛布は冬に暖房がかかるまでの寒い時間に大活躍するんだぜ?

額に手を当ててみる。あー、38度は越えてんな。経験で分るよ、こういうのは。

何故風邪を引いたか。んなもん分ってるよ。

今の季節は梅雨。

梅雨って蒸し暑いのがほとんどだけど、たまに涼しい日ない?妙に涼しい日。
あれがくるんだよ、体に。

急な温度変化やめません?

「どうした?」

「風邪みたいです」

「マジかよ・・・」

修兵先生の手が額に置かれる。自分の額の温度と比べるみたいだ。

「熱っ」

「いや、熱があっての風邪ですから」

「冷静だな」

「慣れてるんで」

つーかさっきの先生も冷静だったからね?あっちの方が凄いからね?

「ちょっと助けを呼びますか」

ウチは制服のポケットからケータイを取り出した。

本来なら怒らねばならないところだが、状況がこれなので先生は黙って見ていた。
本当に人が出来てると思うよ。こういう時は。

えっと、クロが今日生徒会室の窓割ったのバレて仕事させられてるんだっけ?
じゃあ学校にいる可能性も高いから・・・

「もしもし?」

「クロ?今どこにいる?」

「学校」

キタ!これはキタ!

「今新聞部室のカギ持ってこれる?」

「は?あと何故にカギ?」

そりゃあそうだ。

「風邪引いてんのに閉じ込められた」

「部室に?」

「うん」

「蒼一人?」

「いや、修兵先生もいる」

「二人っきりと?」

「うん」

「そういえばそんな計画をこの間シロが考えてたな」

あの野郎か。今度本気で殴ったろかな

「で、来れる?」

「無理に近い。人間監視カメラというか、凄いオーラだしてる人が近くにいるんだもん」

生徒会長のオーラは凄いからなー。絶対逆らっちゃいけない。

「分かった。じゃあお互いさま頑張ろうぜ」

「そうだね。お大事に」

「じゃっ」

シロに掛ける気はない。
あいつならきっと

「えっ二人っきり?アハハー良かったねー」

とか言って助ける気はないだろうから。


解決策がない。

「ハァ〜・・・・・・・・」

そりゃあため息もつきたくなりますよ。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ