中編てきなモノ
□No.4
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〜執務室〜
「ごめーん。本当にありがと!」
ドアの向こうから蒼の声が聞こえてくる。
ガチャ
「先輩。うわっ」
「なにが うわっ だよ」
前にもこんな会話があったような気がする…(書類と鍛錬の両立はしたくありませんNo.2をみてね☆)
「いや〜うちの大嫌いな書類がドッサリあると……言いますよ、そりゃ」
弓親が言ってた通り、本当に書類やりたくないんだな蒼って。
つーことはおととい………いや、あのことは忘れよう。
別に根に持っているわけではない。
ただ蒼が俺の頭をなでたことよりあの二人から言われたことのほうが俺にとっては大問題だ。
俺は本気だぜ?
でもコクることも抱きしめることもキスすることも出来ない自分のヘタレ心を恨むな。
今でも恨んでるし。
「あの今日シロとクロと一緒に飲みに行くんで、寮までは大丈夫です。」
「そうか。楽しんでこいよ?」
「はーい。それじゃ……あっ先輩!」
振り返って俺の方を見る。「お前なぁ!!!!」って叫びたい衝動をこらえたぞ。冷静さを維持してるぞ。
「どうした?」
「おととい書類やってみて思ったんですけど、先輩っていつも一人でこの書類やってるじゃないですか、それ本当にすごいことだと思ういます。尊敬しますよ。でも無理はしないでくださいね」
蒼、その顔やめろ!!俺の理性がぶっ壊れるだろーがっ!!
「そういうこと言うんだったらもっと手伝うとかしろよ・・」
よしっ、耐えた俺頑張った!!
「すみません、手伝うことは出来ません。じゃあ、楽しんできまーす。」
「あぁ」
ガチャ
蒼が執務室を出ていく。
〜その後の執務室〜
・・・・・・・あと少し蒼が出て行くのが遅かったら俺の顔が赤いところを見られてたな。
っにしても蒼のヤロー、天然にも程があるだろ。少しは気づけって。
まぁ俺も俺でなにもしてねぇのが悪い気もするが…。
部下には恋しないなって思っていた頃もあったが、その頃を見れば今部下に対して恋心を抱く俺はなんなんだ?
そういえば千歳と百瀬で飲みに行くっつてたな。
・・・・あの二人か・・・。
今後蒼といるときは周囲に気をつけよう。