記憶のかけら
□説教。
1ページ/4ページ
私が委員会の仕事を終わらせ帰宅した。
そして、マンションに入り冷蔵庫を開けた。
「あっ、冷蔵庫になんもない・・・」
すっからかんでした。
ってことでコンビニに行くことに。
「…着替えてから行くかな・・・
塾の制服だと窮屈だしね・・・。」
そう言って身近にあったものを適当に取る。
そして軽く時計を見た。
「21:00・・・・・
もう出かけてる奴らはいないよね。」
そう言って財布を棚から取り出し
マンションを出た。
********************
やはり、21:00になると人通りが少なく、結構寂しい雰囲気だが
蓮華にとっては結構好きな感じだ。
「さてと・・・まず牛乳と、おにぎりに卵に・・・・・あれ?」
視線をコンビニにずらすと見覚えのある人物を見つけた。
ピンクっぽい髪に左に傷跡が一つ。
気づかれない様にコンビニに入りその人物の後ろに回る。
ーやっぱし・・・コイツ変態だ。
はぁっと1つ溜息を小さくつく。
その少年が立っているのは・・・・・
持っているかばんを両手でつかむ。
そして振りかぶり
「エロ本読むのは禁止だったはずだぞ。
志摩 廉造。」
「Σぅわっだ!?;
なっえっ!?えっ!!?;」
どうやら叩かれたことに驚いたのと
注意されたことに驚いたのだろう。
頭をさすりながら後ろを振り返る。
「蓮華ちゃんっ!」
「・・・・・なんだその気味の悪い笑みは…」
どうやら自分に気づいたらしく見た瞬間
目を輝かせた。
一瞬その笑みに「うっ」と来たが1つ咳払いして立ち直る。
「まず、なんでお前がこの時間にコンビニに居る。」
「いや、それ蓮華ちゃんも同じやん」
「私は食料が無くなったから買いに来ただけだ。」
ふいっとそっぽを向き籠を持つ。
そして買い物を始めた。
「・・・・・」
にこにこにこ
「・・・・・」
にこにこにこにこ
「おい!志摩廉造!!」
「なんでフルネーム!?;
もう『志摩』って呼んで・・・いや、『廉造』でもええで?」
「そんなことではない!!」
さっきから色々買っているがずっと志摩がついてくる。
真面目にうざい。
「塾でもそうだったような…」
「お前を名前で呼ぶかフルネームで呼ぶかは私自身だ。」
「あははあいかわらずかたいなぁ〜」
ヘラヘラしたまま志摩が言う。
ー私だって好きで貴様の名前を呼んでるわけじゃない!!
「とにか私はもう帰るから、離れろ。」
「わかった!」
「・・・・・」
ーいきなり素直になったな・・・
じとっと見てからレジに籠を置き支払いをした。
あとは帰るだけ…と思った時。
「じゃぁ帰りましょーか?」
「・・・・・なんだその手は」
志摩がドアの前で右手を差し出していた。