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□第二話
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【木島side】
晋助様が帰ってきた…!!
久しぶりの帰還に真っ先にアタシが迎えに行ったッス。
でも帰ってきたのは晋助様と…
「……晋助様隠し子ッスかぁ!?こんなに大きくなるまでほったらかしだったんスか!?いや、てか何で今更…!?」
「うるせェ黙れ。こいつは拾ってきたんだよ。木島ァ、風呂いれてやれ」
「は、はい分かったッス」
晋助様が子どもを拾う!?
いったい何が…いや、この子どもには何か特殊な力があるのかも…
いやいやいや、どっからどう見ても普通の女の子ッス。
ハッ!!まさか晋助様、幼女趣味が…!?
木島は顔を青ざめながらもてきぱきと葵を風呂にいれた。
その時木島の顔が少し強張った。
「…アンタ、名前なんて言うんスか?」
「…あおい」
「そうッスか。アタシは木島また子っていうんス!」
「また子?わかった。よろしくおねがいします?」
「無理して敬語なんて使わなくていいッスよ」
「…うん」
…いやに無表情な子ッスね。まぁ理由はだいたい分かるけど…
そう思ってから木島は葵の体に目をやった。
その小さな体には、殴られた跡や煙草を押し付けられた跡などが無数にあった。
「…葵は晋助様とどういう関係なんスか?」
「?しんすけ?……お父さん?」
「え゛」
やややややっぱりッスかぁぁぁぁ!!
あれ、でも晋助様違うって…
「おててがね、あったかくてやさしい、から、お父さん、みたい」
そう言って葵は笑った。……笑った!?か、かかか可愛いッス!!
てかお父さんみたいッスか。あーびっくりした。
でも今ので分かったッス。葵は笑わないんじゃなくて笑えないんスね。
そう思うと同時にアタシは絶対葵をいっぱい笑えるようにしようって決心したッス。
風呂から上がるとアタシは葵を自室において晋助様に葵の体について報告した。
「……そうか」
晋助様は少し顔を歪めると一言そう言った。
「木島ァ、葵連れてこい」
「わかりましたッス」
そうしてアタシは再び自室に戻った。
自室に戻ると葵がボーッと窓の外を眺めていた。
(子どもってもっとうるさいもんスよね…)
「葵、晋助様が呼んでるッスよ」
「うん、わかった」
そして二人で晋助様の部屋へと向かった。
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