部長(副管理人)の小説
□生クリームをのせて
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昨日降ったばかりの白い綿毛達は、窓から見える棚田を立派なショートケーキに変えていた。
見た目にも軟らかそうで。
ふわふわとした感触がしそうで。
初雪がこんなにも、生クリームのように見えるなんて。
私の隣に来て一緒に外を眺めた彼が、
「おいしそうだな」
と素直に言うと、同じことを考えていただけに、思わず笑みを溢してしまった。
そんな私を見て、彼もまた微笑んでいた。
「今日は、ケーキを作ってみましょう」
「生クリームがたっぷりのったやつがいいな」
美味しくできたケーキを二人で思って、どちらからともなく、笑いあった。