部長(副管理人)の小説
□席の向かい。電車の中。
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電車が駅に止まり、高校生が流れ込んできた。
私の向かいに座る、一組のカップル。
故意に逆立たせた髪の学ランが右。
グレーのマフラーを巻いた紺色スカートが左。
じゃがりこを頬張りながら、同じだけ隣の口にもじゃがりこを突っ込む学ラン。
それを飲み込みながら、左手薬指のリングをいじる紺色スカート。
何を思ったか、学ランは隣の紺色スカートの紺色スカートをめくりあげ、白い太ももを露出させる。
紺色スカートはそれに抵抗するでもなく、自分からも見せつけるようにめくって見せる。
彼女はスカートの下に短パンをはいた。
けど、それが分かってしまう事自体が、既に問題だ。
高校生カップルは、こんな所でもイチャイチャ…
正直うんざりだ。
私がそのぐらいの時には…
なんて考えだして、自分でため息を吐いてしまう。
まだハタチなのに、もうトシかな。
その二人も、二つ隣の駅で降りていった。
他の高校生達も、大体その駅で降りる。
きっとこの駅が、学校の最寄りなんだろう。
なんか、色んな事にうんざりしてきた。
今日も仕事が終わったら、エロ部長が飲みに誘ってくるのかな。
いっそ今日はその誘いにのってあげようかな。
適当に酔わせて、私も好きなだけ飲んで、それでお別れすればいいんだもん。
ホント、何やってんだろ、私ってば。
通勤途中の車窓からは、気だるげな朝の景色しか見えてこない。