人体閉鎖病棟
「どうします?」
  1人の少年が呟いた。 「・・・あなたは
 どうします?」
どうやら私に
 尋ねているようだ。
「あなたも閉鎖病棟へご入場
なされますか?」
病棟だというのに
入場とは不思議なものだ。
「いいんですよ。コレで。」
 彼は私に向かって
笑いかけた。
「あなたはもう、
閉鎖病棟に足を踏み入れた。」 
そこで気づいた。
『あぁ、私はもう、
閉鎖病棟の患者なのか』と。
病棟長の挨拶

病棟長の日常

病棟患者の魔法

病棟患者の和

病棟患者の天体観測

病棟患者の散歩

病棟患者の不思議の国

病棟患者の拠り所

病棟患者の空想

病棟からの更新状況

「・・・もう行くの?」
1人の少年は呟いた。
「そう・・・。」
彼は、
うつむいてそう言った後、
また顔を上げた。
「・・・いいよ。行きなよ。」
先程とは違い、
ふんわりと笑みを浮かべて。
「キミが帰るべき場所は、
ココだよ。
だから、また戻ってくるよ。
だってキミは、人体閉鎖病棟の患者なんだから。」
彼の言葉は私の脳内に
深く染み込んでいった。


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最終更新日 2011/05/30




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