02/13の日記

01:37
小話 ーcloverー 寺井
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ビリヤードのトーナメント参加メンバーの引率として寺井はラスベガスの地を踏んだ。

トーナメント会場とホテルの施設を確認し、後のメンバーの世話は現地スタッフに預けたところで腕の時計は21時を回ったところ。
軽く呑みたい気分だった。
一人になって落ち着いてグラスを傾けたい。
騒がしいのには辟易していたので小さな店で、適当にほおっておいてくれる店が良い。


一日中同行してくれたガイドのキャシーは優秀な彼女の知識から、私のリクエストに一番条件の合いそうな店を選び出してくれた。
チラリと私の全身を見やって、肩をすくめて頷いた。
いつも着ている白いシャツに黒のスラックス。少々くたびれたジャケットを羽織った姿は何とか及第点を貰ったようだ。
ドレスコードに厳しい店なら遠慮すると言ったら、あたしのお気に入りの店なの。
クローバーに粗相があったらあたしが許せないの!と言われた。

「クローバーっていう店なのか?」
「クローバーはバーテンダーよ。彼に会えたらラッキーなんだから」
キャシーはグラマーな腰に手を当てて自分の手柄のようにふんぞり返って言った。

場所は、寺井の滞在ホテルの最上階にあった。
最寄りで"お勧め"ならば、これは行けという運命なのだろう。

「クローバーに会えたら、ヨロシク言っておいてね!」

別れ際にクローバーに宛てた投げキッスを寺井に向けて寄越すほどにキャシーはクローバーに熱をあげているようだ。



ーーー


謎の人寺井の話。
まだ、付き人でもなく、盗一とも出会っていないころの寺井はどんな人間だったのか?
バーテンダー盗一が書きたかっただけかも知れません。
続きます。


快斗の「今、ボクがすべき事」の話と対で考えていた内容です。
これも、続きをお待たせしていてごめんなさい。

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