07/14の日記

15:11
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有希子とシャロン拍手更新につき、こちらに移します。



ー昼下がりのオープンカフェは、ー 有希子・シャロン

「ねぇシャロン、あなた誰になってみたいと思う?」





頼んだブレンドをひとくち飲んで、 目下の悩みを友人に投げてみる。

「ミスターの最終課題?貴女ずいぶん迷ってるわね」
普段からすずしい表情の彼女は、 この難題を 苦にしていないのか悠然と苺のミルクレープにフォークを入れた。

「そりゃ迷うわよぉ、あの黒羽盗一の課題ですもの、 普通のじゃだめよ」
「変装して、ミスター黒 羽と半日デート。長時間誰かになるんだったら変装しやすい人、 っていう条件が無難でしょうね」
「そうよねー。障りのない人物、うーんさらに言うと、普段よく見ている人、観察できる人ってこ とになるわね」
「最愛の旦那さまにしたら?」
「え〜、優作?だめよ〜、せっかくのデートなのに 優作じゃあエスコートしてもらえないでしょう!? 」
「ふふ、貴女らしいわ」

「そうね〜、どうせなら、素敵なものになりたいわ」

ドレス、着物、衣装に着替えて、メイクを施されて立つステージ。
どきどきする脚本、誰も知らな い私になって、新しい扉を開くの。
ワクワクするもの、女優になったのだって“とっておきの素敵な 世界”が見られるからなの。

「素敵なものが良いわ、とびきりのよ!」
揚々と語る有希子の言葉を、 あきれるでもなくシャロン は真面目に聞いてくれる。

優作は素敵。 でも、だめよ。 だって彼は私と一緒に素敵な場所へと歩いてくれる人。 彼の代わりな んて、誰にも務まらないわ。

「有希子は、そのままでとってもステキよ」

「うふふ、ありがとうシャロン」

じっと、目をあわせて話を聞いていたシャロンはまぶしげに数回のまばたき をした。

「・・・・・・『笑顔には、幸せの魔法がある』 なんて誰かが言ってたけれど、有希子のスマイルは チャーム(魅了)の魔法ね」

午後の穏やかな日差しのなか、シャロンは穏やかに微笑む。
金の髪が映画のワンシーンのようにキラキラと世界を彩った。
それこそ、魔法のように。

天啓のようにアイデアが決まった。

「・・・決めた、私、シャロンになるわ」

「私?」

目を丸くして驚いたシャロンに私はうなずく。

「無茶かもしれないわ。でもとてもすばらしいアイデアよ! どうかしら!?」

「どうかしらって・・・」
完全にいきおいに押されたシャロンは、弱りきったような、 困ったような、複雑な表情で、笑った。

「貴女、それは最高の殺し文句だわ」

――――

有希子とシャロン。 ちなみに、 シャロンは最初から有希子になるつもりでいたようです。
ベルモットにとってこのシャロンとしての時間はきっと特別だったのではないかと。

有希子とシャロンの組み合わせが好きです。 久しぶりのお礼更新です。 ありがとうございました。

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