09/13の日記

10:36
小話─指定席─ 工藤
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指定席

構内のカフェテリアでコーヒーを飲んでいると見知らぬ女子から声をかけられた。

「ねぇ、隣り座っていいかな?」

さして、混んでいない時間帯だ。

「わりぃ、他空いてるだろ。ごめんな」

工藤君の隣りが良いんだけど?

変なところで鈍い彼に、上目使いで聞いてみれば、またもや新一は困ったようにごめんと謝るのだ。

講義室でも、食堂でも工藤新一は隣りに人を寄せ付け無かった。
文庫本一冊を、場所取りというように隣りに置いて。

「なんや、ホームズの指定席みたいやな」

今日も新一の隣に置かれた本を見て、友人は呆れ顔で笑う。新一が愛読する探偵が鎮座していた。


「違いますよ、ここは怪盗紳士の席ですよ。ね、工藤君」
もう一人、友人が訳知り顔で笑っている。

「ちげーよ」
そう言って、そっぽを向いたのは図星だったからではない。


早く帰って来い。
オレが待っているのは、ただの黒羽快斗だ。


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3/4組って大好きです。
リハビリ、というよりはやくスマートフォンになれたい桐西です。



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