11/13の日記
13:28
小話─ラジオノイズ─ 江戸川コナン
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ボクの声が聞こえますか
ーラジオノイズー
"ざ、ざーーざーーざーー………ボクの…声が聞こえま すか?…"
それは、最近聞こえるようになったオレだけのノイズ。
…………………
「どうしたの?江戸川君」
隣りから灰原に声をかけれて、我に返った。
読書の時間の今、活字を追わずに空を見つめる姿に不審を与えたようだ。
コナンの視線の先を探ろうと彼女がそちらに意識を向けるが、帝丹小学校の図書室に今更自分達の意識を奪うモノなど在るはずが無い。
「わりぃ、ぼーっとしてた」
短く謝罪して手元の本に戻る。
続きを読むために捲ったページには名探偵と宿敵が滝壷へと落ちる挿し絵が描かれていた。
"ざーーざーー、ざーーざー"
ボクの声が聞こえますか
"ざーーざーー"
風呂の湯船に深く沈んだときに、身体の奥から聞こえるノイズ。
それは、単に血液が巡る音だと判っている。
生きている音。
ずっと聞こえているはずのノイズ。
ノイズ
耳鳴りがする
ノイズ
記憶に残る、自分の、新一の声
ノイズ
声変わりもまだのコナンとは重ならない声
ノイズ ノイズ ノイズ
─ボクの声が聞こえますか?─
ああ、聞こえてるさ工藤新一
オメーはちゃんとここにいる
ああ、眩暈がするよ
"ざーーざーー……"
「はーい、今日はここまでです」
遠くで担任の声がする。
続いて休み時間を告げるチャイム
子供達のにぎやかな声が辺りを包む。
日常に溶けてノイズは聞こえなくなった
─ラジオノイズ─
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