桜燃ゆる、声と狐と

□二
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  カチッ、カチッ、カチッ



嫌なくらい正確な時計の音が部屋に響く。
と、いうよりその音しか聞こえない。

いるだけでピリピリするこの空間。
殺気で辺りを静寂にしている。
誰が原因なんて言うまでもない。

ってか、なんで僕にそれが向けられるわけ?
睨みたいのはこっちの方だからね。
正当防衛でしょ、僕の場合。



「動かないでください。この人の首の骨折りますよ?」



今にも動こうとしていた人達を脅す。
もろ悪役じゃん、僕。

平和で行きましょうよ。



「あなた方が身につけているその真剣を手放してください。そうすれば僕もこの人から離れます。」



  ガシャッン



そう言い放った後すぐに金属特有の音が聞こえた。
皆さんの刀が僕の方に投げてあったんだ。

なるほど、仲間の命が最優先ってわけね。

その反応に僕は少し口角を上げながら木刀を首元から離し、彼の真剣を奪って足をのける。


下の人もそれに気づき、悔しそうな顔をして素早く皆さんのもとに行った。

わざわざ近くに置いてあった刀を取らずに。



「(取ったら取ったで面白かったのにな)」



そう思いながら彼らの真剣をまとめて僕の後ろにやった。

武士の魂だからね、もちろん手でやったよ。





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