APH小説

□こんな日和も
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夏が、もうすぐおわる。

しかし空に浮かぶ雲は、見事な入道雲で、まだまだ気温が低くないことを物語っていた。

いつまで続くのか、この残暑は・・・・・・・

日本列島はいま、四季の境目をゆったりまたいでいる。

そうなれば影響をもろに受ける本田菊はたまらない、と毎年思う。




「だいじょうぶ・・・・?」

「・・・・・いえ、あまり・・・」


広い日本家屋の縁側。
庭に面しているため、風がよく通るので絶好の涼み場になる。

そこに、フェリシアーノと菊はぐったりと疲れたような表情を浮かべて座っていた。

「掃除、手伝ってくれてありがとうございますフェリシアーノくん。」

「いいんだよー せっかく家に来れたのに菊と一緒にいない方が嫌なんだ。」

フェリシアーノが家に訪ねてきた時、ちょうど菊は掃除の最中だった。
別に何かあるわけでもないが、朝起きた瞬間あまりに身体がだるかったものだから、これは何かしないと1日をgdgdで終えるフラグだなと思い、なら掃除でもしよう、という考えに至った。



「じゃあ、冷たいお菓子でも食べましょうか。
やっぱり身体を中から冷やした方がいいですし」

「やった! どんなの?」

「水まんじゅうとようかんがあるので、どっちも食べちゃいましょう」

そう言うと、菊は台所へ行き冷蔵庫から水まんじゅうと少し食べかけたようかんを出した。
水まんじゅうは、乾燥を防ぐ為にかかっていた薄紙をとって、下にある受け皿のような紙はそのままにしておいて皿にのせた。

ようかんは食べやすい大きさに丁寧に切り分ける。

「菊〜なんか手伝うことある?」

切り分けていると、ひょいっとフェリシアーノが顔を出した。

「あ、フェリシアーノくんはゆっくりしていて下さい。疲れているでしょう」

「もう、それは菊もおなじでしょ。えんりょしないのーあっ俺お茶淹れるよ!」

「えっフェリシアーノくん淹れ方知ってるんですか?」

菊が驚いて振り向く。
フェリシアーノはへへん、と得意気にエッヘンポーズ。

「伊達に菊の恋人やってるわけじゃないよー!」

「イタリアであるフェリシアーノくんがそれ言っていいのかは疑問ですが・・・・・
まあ、自信があるならここは頼みます」

「よーし、じゃ冷たいの淹れるね」

「はい、お願いします」

フェリシアーノは楽しそうに準備し始める。
そんなフェリシアーノを見て菊も知らず知らずに頬が緩んでいた。
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