APH小説

□みみみみハロウィーン
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「はろうぃん?」

「はい、折角ですので」


仮装、してみませんか?




俺フェリシアーノ。菊の恋人。
菊っていうのは隣でせっせと衣装に着替えてる可愛いコ。


昨日上司から言いつけられてた仕事が一段落して、久しぶりに明日は休みでいいぞって言われた俺はその足で菊のところまで飛んできた。

そしたらびっくり。

街中が、なんか・・・・

カボチャと魔女とオバケ(のせい?)で
・・・いつもより活気があるような−・・・・・

そんで、理由を菊から聞かされて、今に至る。


この日は仮装した子供たちがお菓子をねだって家々を廻るらしい。

・・・がよく見てもそういう子供はあまり見当たらない。
日本のハロウィーンは少し違うんだろうか

菊に聞いたら、
まあ半分ノリですからね−
・・・だそうだ。

で、ノリで仮装してるわけなんだけど―――



「・・・どうですか?今回は少しクオリティ上げられたと思うんですが・・・・・」

 ・・・・・・。

うん。

 かわいすぎ。

「きつねさんなの?」

「はい!この耳と尻尾のもふもふ感を出すのに苦労しました!
市販で売られている物より毛足が長いんですよ−」

「ヴェー・・・触ってみてもいい?」

「いいですよ。あ でも、あまり強く引っ張ったりしないで下さいね
毛が抜けてしまいますから」

「りょ−かいでありま−す!」


俺は耳に手を伸ばす。

・・・ふにふに。

お。 なんだこれ

なんか・・わたっぽくない感触・・・・・

てゆうかむしろ本物?


俺がむーとか言いながら必死に分析してたら、菊がくすって笑った。

「・・・素材、判ります?」
「・・・・全然わかんない。もしかしてホンモノ?」

「あはっ・・!・・・・ふっ、す、すみません・・・!」

「ヴェー 菊〜そんなに笑わなくても〜」


ほんとは貴重な笑う表情やめてほしくないけどね!


「これはですね、わたの他にも柔らかいシリコンを入れてあるんです。
なので、ふわふわし過ぎずに程よいかたさを持っているんですよ」

「なんかすごいね〜・・・
でもそんなに工夫して造られてるんなら高かったんじゃない?」

「実はですね、これお手製なんですよ」

そう言って菊はどや顔。

ああもう かわいいなあ〜・・・・
あ そいえばクオリティ上げられたとか言ってたか・・・

「菊なんかいつもより気合い入ってない?」

「・・・・あ−・・やっぱそうですよね・・・・・」


・・・・ん? さっきまでノリノリだったのに・・・

「菊?」

「あの・・・実はお願いがあるんです・・・。」

「ん?」




 ・・・・・・。

「菊・・・これ・・・・・」

今、俺の目の前にあるのは大量の布。
鮮やかな色合いのそれは菊の所有物にしては珍しく毒々しい色。

いかにもハロウィーンて感じだね うん


「菊・・・まさかアルに誘われた?」

「いえ、今年は違います 上司の付き合いで。」


あ〜なるほど〜・・・・


「なので・・・・・・」

「衣装作っといてくれ、ってこと・・・?」

「御名答。」

暫しの沈黙。
そしてフェリシアーノの頭に次々と浮かぶ疑問。

なぜ菊に頼む?
なぜいい大人が今更ハロウィーン?
というか上司ともあろう者が菊の交友関係を把握できてないということか?
それとも菊が断りベタなのを利用して?
仮にもお国様だぜ?
国使いが荒いともいうか、そもそも人として面倒事押しつける時点でどうかと・・・・・・・

「―――フェリシアーノくん!」
「うおっ」

ああ〜〜
いつの間にか思考トラベラーになってた俺・・・・

「あ すみません・・・というか大丈夫ですか?」

「あ うん ごめんちょっと考え事・・・へへ・・・・・」

「さいですか あ それで・・・・・」

「あっそうだった 衣装作りねもちろん手伝うから!」

そう言うと菊の表情が和らいだ。


ちょ、やばい
かわいい!かわいいい!

まだ耳ついてるのに
しっぽついてるのに
そんな安心したような笑顔されたら俺の理性がやばい!

く、惚れた弱味ってやつか!


とかなんとかまたトラベルしてたら菊がその耳を外そうとするじゃないか


「菊」

「はい?」

「それ・・・外さないで」

「え・・・でも」

「外さないでいてくれたら手伝うから!」

「・・・・・・」

俺は必死で目を輝かせて頼む。


「わ わかりました・・・・」
(いよっしゃ−−!)


その後俺たちは力を合わせて衣装作りに励んだ。

上司の友人の分まで作らなきゃいけなくて地味に大変な作業になったけど・・・・・
まあ俺は菊見て常に癒されてたかもしれないな〜

俺が見てるのに気づいた時の菊の顔も、思わずにやけちゃうくらい良くて。
さりげなく視線を外すけどその頬が少し紅くて。

なんかちっちゃい声で
「羞恥プレイですか・・・・!」
とか言ってた気がするけど 気にしない!(ヲイ


結局ハロウィーンパーティーには俺も出れることになったし、仮装だけど狼にもなれたしw

たまにはこうゆう風に菊とならはっちゃけてもいいかな〜なんて言ったら

「フェリシアーノ君はいつもはっちゃけてるじゃないですか」

って菊に笑われちゃった



・・・・ま、今年のハロウィーンは上司グッジョブだったな。
菊と一緒に過ごせてすんごい楽しかったし。


「菊、来年もやろうね」

「はい、是非」


そう口約束して、俺達は肌寒い帰り道をくっついて歩いて帰った。



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