APH小説
□君といるため
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今日はいつもの訓練をいつもと同じように菊とルートと俺の三人でやってたんだ。
太陽の光が優しくてきもちいいな
こんな日に訓練なんてもったいないよー
でもルートに言わせれば今日の訓練メニューは前から伝えてあったらしい。
俺から言わしてもらえばそんなの覚えてないんだけど。
けど菊は横で俺がどんなに気だるそうにしていても、ルートの考案したメニューについていこうと必死に息を切らして走っていた。
「まじめだなぁ菊は・・・。」
思わず声に出してしまった。
あ まずい ルートに聞こえたかな?
菊には完全に聞こえてしまっていたらしい。
俺の斜め前を走っている菊がくすりと笑って、さり気に歩調を合わせてきた。
「そんなことありません。まだまだルートさんには敵いませんよ。」と言い、苦笑いした。
(そんなことないよ)
俺が知ってる菊はとても強いし、礼儀正しいし、きれいだし。
でも菊はそういう言葉聞くとすぐはぐらかす。
西洋に比べれば自分は強くなんかないとか、背も小さいとか、そればっかり。
・・・けっこうコンプレックスなのかな?
俺にとっては全部かわいいんだけど。
前にそれ言ったらすっげー怒られたな・・・・
ほんとのことなのにな。
もっかい言ってみよう。
「平気だよ〜菊かわいいし!」
「は?・・・なぜそうなるんですか?っというかそういった言葉は本来女性に向けられるものでしょう」
「ん〜まあ、大体はそうかもね〜。」
「・・・・生憎私は男ですので、嬉しくないですからね。」
「もしかしてすごく嫌だった?」
「えと・・・普通は恥ずかしいと思いますが・・・・・」
なにそれ。
恥ずかしいとかすげーかわいい・・・
いや、ただ単に菊は遠回しに嫌ってこと言いたかったんだろうけど、それを真面目に察したらつまんないじゃん?
「えっじゃあ、嫌じゃないってこと!?」
そう言って俺はパッと顔を輝かせる。
菊はそんな俺の顔を見て困ったように笑う。
そして、
「フェリシアーノ君は可愛いとよく言われてますけれど、嫌ではないんですか?」
と尋ねてきた。
「ヴェー 別に嫌じゃないけど・・・むしろ菊に言われたら嬉しいよ?」
「私に?」
「うん!」
「・・・・変わってますね」
「そうかな〜」
「ふふ、また今度言ってあげますよ」
「ほんと!じゃあ、走り終わったらは?」
「え・・・まあ、いいですよ」
それを聞いた俺はがぜんやる気が出てきて、ペースもあがる。
やったーとかいって菊を抜かして走っていたらルートが驚いていた。
「・・・そんなに喜ばなくても・・・・・。」
菊が呟いたのをフェリシアーノは知らない。
けれど、菊もまたフェリシアーノが可愛いと言ってほしいと言ったのが
自分との距離を縮める一つの手段に過ぎないことを
知るよしもない。
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