世界一初恋

□誕生日
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俺が、自宅へ帰るとFAXが届いていた。

確認すると、それは隣人の小野寺律からだった。

「あいつ・・・。」

俺は、電話をかけた。


―プルル

―プルル

―プルル


「寝たのか・・・?」

―プルッ、ガチャ

「は、はい・・・。」

「起きてたのか。
なら、話が早い。
今すぐ俺の部屋に来い。」

「い、嫌です。
それに、夜遅いですし迷惑になりますし。」

小野寺のいつものパターン。


「来ないなら、俺がそっちに行くぞ!!」

「え!あ、それは困りますから!!」

「5秒で行く。」

「わかりました!
行きますから!!」

―プツッ

「フゥ・・、さてと・・・。」

俺は、あいつが来ることが嬉しいのか玄関前で待つことにした。


―ガチャ

「お、お邪魔します・・。」

「で?
何でFAXしてきたんだ?」

「た、高野さんがまだ帰っていなかったようなので、FAXでもいいかなと思いまして・・・。」

「お前、バカじゃねーの?
俺が帰って来たことくらい隣人なんだし、音でわかるだろ。
それか、電話すれば良かったじゃねーか。
そしたら、早く帰ってやるんだよ。」

「電話しようと思ったんですけど・・こう・・忙しいかなと思いまして・・・。」

嘘だな。

小野寺が嘘ついているということが、すぐわかる。

俺は、小野寺が好きだから何でもお見通しだ。

怒った顔なんて、とても可愛い。

笑顔もいいけど泣いた時の顔とかも、小野寺自身が好きなんだと自覚する時もある。



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