世界一初恋
□ほろ酔い酒
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「お邪魔します・・・。」
「どーぞ。
適当に座ってていいから。」
「はい・・。(さ、酒、呑んだら帰ろう!すぐにでも帰ろう!)」
「お前、ビールで良かったか?
チューハイもあるけど。」
「いえ、ビールで。」
ビールの缶を受け取り、高野と机を挟んで座った。
「・・・・・・・。」
「・・・・・・・。(う・・か、会話がない・・どうしよう。変に気まずい・・。)」
「お前さ、横澤と何かあったのか?
今日、凄い剣幕で帰って行ったんだが。」
「さあ・・?(ってゆーか、あんたのおかげでこっちは嫌味言われまくってんですけどね!)」
律は、酒を呑みながら1人悶々と考えていた。
数分後、
「で?今日は、どうしたんだ?」
「ウィック・・、どうしたもこうしたもないんだよ〜・・ヒック。」
酒に酔い潰れた律は、口の回らない状態で、高野にグチを吐いた。
「高野さんは〜、もっとぉ妬まれてもいいと〜思うんすよ〜・・・ヒック・・なのに、誰も思ってなさそおらし〜・・・ウィック。」
「・・・・、小野寺・・そろそろ止めとけ。」
高野は律から、酒の缶を奪い取った。
同然、律は高野から酒の缶を奪おうと突っ掛かってくる。
「うわっ!!」
「小野寺・・?大丈夫か?」
酔った勢いで足に力なんて入らなくて、踏み込もうとした瞬間に蹴躓いた律は、高野の胸に飛び込んだ。
酒を2缶置くと、突っ伏したままの律を高野は起こそうとした。
「おい、小野寺・・・?」
チュッ・・・
突然の出来事に、高野は目を見開いた。
「俺、高野さんのこと・・もっろぉ、知りたいんすよぉ〜ヒック。」
「お前・・・。」
「らって、横澤さんより俺の方がぁ・・何倍も何十倍も好きなんれすからぁ〜ウィック・・・。」
「小野寺・・それ、直球過ぎ///(酔いとはいえ、こいつが素直になればこんなもんなのか?
かといって、明日また、なかったことにされるのがオチだよな。)」
高野が、1人考えこんでいると、律はバツが悪そうな顔をして高野の胸に顔を擦り付けた。