世界一初恋
□誕生日
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小野寺律の誕生日がやってきた。
「・・・・・・。」
俺は、プレゼントに悩み中だ。
あいつが好きな物と言ったら、小説とか栄養食品とかしか思い浮かばない。
あいつは、自分の誕生日のこと忘れてそうだからサプライズとしてやろうと思っている。
「・・・・・・・。」
俺は指輪とかネックレス系を思い、とある店のショーケースを見ながら悩んでいた。
「お客様、何かお探しでしょうか?」
ついに店員が出てきた。
「いや、プレゼントをどうしようかと悩んでいて。」
「指輪とかでしょうか?」
「いえ、あいつは小説とかしか興味がない奴でして。
色気もなく、素直じゃないから何が欲しいとかも言わなくて。」
「そうなんですか。
あ、じゃあこれはいかがですか?」
それは、指輪にチェーンが通りネックレスみたいになった物だった。
「ん〜・・いいな、それ。
それにしよう。」
一発で決心し、店員さんに頼んだ。
「指輪の後ろには何と彫りますか?」
「じゃあ、LとMの間にハートをつけたのでお願い出来ますか?」
「かしこまりました。
では、出来次第に明日お電話させてもらいますね。」
店員に電話番号を教え、明日の準備で買い物を済ませて自宅へと帰って行った。