世界一初恋
□恋敵
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お互い付き合い始めて、約1年が経とうとしていた。
「最近、律っちゃん何かモテてるよね〜。」
「そうだね、あれは文芸の方の編集部の人かな?」
「何で、文芸の編集者がここにいるんだ?」
エメラルド編集部に高野を除く木佐、美濃、羽鳥の3名は、2人のやりとりを片隅でひっそりと見つめながら話していた。
「あれは、律っちゃんファンだね。」
「小野寺出版社の一人息子だからとか?」
「金狙いか?」
「お前ら・・何してんだ?」
声を掛けられ後ろを振り返ると、背後に高野が立っていた。
「あ・・、高野さん!おはよーございます。高野さんは、彼、知ってます?」
「おはよ・・・あ?」
指を差された方を見ると、困った顔の律と傍には意気揚々とした見知らぬ顔が一人。
「・・・・、誰だ?」
「朝、来てみたら何か律っちゃんの隣で楽しげに話してて、で、文芸の編集部の人らしいんですけど、なんかだんだん律っちゃんも困った顔になっちゃってるんですよね。」
「そりゃ、横でギャーギャー言われりゃ仕事出来ねぇからな。仕方ない・・・。」
高野は、律の傍によると楽しげに話す奴に注意した。