Sweet home
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『うふふふふふ』
「なに朝から笑ってんのきもいよ」
もぐもぐと私の作った朝食を頬張りながら辛辣な言葉が私の胸にぐさりと刺さる
『神威先輩は朝から厳しいですね…』
ぐすんと可愛く泣いたふりをすればさらに引かれた顔をされた。や、ごめんなさいって引かないで、まじで
「で、なんでそんな上機嫌なの?」
『それはですねー、私今日から学校なのですよ!!!!転校して新しい学校なので楽しみなんです!』
ガタリと席を立ち、"実はもう制服着てるのです!ほら、見て!!"という意味をこめてくるりと回ってみせた
「あ、おしい」
『へ、何が「あと、もうちょいでパンツが見えたのに」
『残念ながら紺パンはいてるんで見えないですよ』
真顔でそう返すと、ちぇー、っとつまんなさそうに神威先輩は食パンを一口かじった
「ふーん、そっか志乃は銀魂高校なんだ」
また、面白くなさそうにパンを一口かじった
『はい、神威先輩はどこの学校なんですか?』
「夜兎工業高校」
先ほどからの少し拗ねたような声色にまさか、と思って少し冗談めかして
『もしかして神威先輩、私と同じが学校じゃないの残念がってます?』
きっとすぐにいつもの毒舌が飛んでくるはずだ、
…
あれ?変な間が空いて神威先輩の顔をみると咥えたままの食パンをポロリと落とした(ああ、食パン)
『(聞こえてなかったのか…)…はぁ、神威先輩食パン落としましたよ〜』
「…あー、そっか、そっか、うん、そうか…」
頭いかれたのかこの人
『神威先輩?大丈夫ですか?(頭とか)』
『…って痛い!痛い!痛い痛い痛い!!頭を手でギリギリ抑えるのやめてください!!!!』
「や、なんか腹立つこと思われた気がしたからさ」
手が離されて自由になった頭を涙目でさする。
「まあ、すごく認めたくないし、癪に触るけどそうなのかもね」
「まあ、ミジンコ程度だけど」
『…?…はあ…』
痛みでまだジンジンする頭で言葉の意味もわからないままてきとうに返事をした
「どうでもいいけどさ、今日からなんでしょ、学校」
『…うん』
「時間とかいいの?」
『じ、ジカン…』
嫌な予感がし時計を見た
9時06分
コチコチと家の時計は律儀に時を刻み続けていて
『い、いやあああああああああ!!!!』
学校から指定された時間を優にすぎていた
第4日目
朝ごはんは大切です。
(そういえば、なんでいきなり先輩呼び?)
(いやあ…年上の人を呼び捨てというのは抵抗がありまして…)
(一応お前にも礼儀はあるんだね、驚いたよ)
(失礼なっ!!!!)
(ねぇ、学校いいの?)
(あ。)