Sweet home
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遅めの自己紹介。彼女は今福 志乃というそうだ。今福の作った飯を食べながらお互いの事を話していく
『神威さん…本当に一人で暮らしてたんですよね』
「うん、そうだけど、何で?」
『嘘だ!だって一人ですんでたらあんなに家が汚くなるはずないもの!きっと押入れの中とかに何人か人が住んでるんだわ…!そして夜中になったらみんな出てくるのよ!!』
「怖いよ、それ」
どこのドラ●もんだよ、と思いながらも頭の中で何故か云業がわらわらと押入れから出てくるのを想像してしまった。
「だったら後で押入れ開けてみなよ、何か出てくるかもよ」
『嫌だ!!出てきたら怖いじゃない!』
そんな冗談を言いあってたらガタンッ!となにやら部屋のどっか上の方から音が聞こえてきた。
『ひぎっ…!な、なんか音がした!』
「風だよ、たぶん」
『たぶんって何!?』
目にうっすら涙を浮かべる今福。いちいち反応してからかいがいがある奴。
「じゃあさ、じゃんけんして負けた方が見に行こうよ」
『いいよ!』
「あり?即答?」
嫌がると思ったんだけどなあ…。
『大丈夫!私、じゃんけんだけは強いから!!』
その言葉通り今福は強くて内心面白くないなあと思いながら言い出したのはこちらなので、どうせ物が落ちてきただけだろう…と音が聞こえてきた二階に上がった。
「だ…ば、番長!!?」
「まさかうちの学校に不法侵入者がいるとは思わなかったよ」
二階は云業がいた。
ていうか何でいるのさ、え、まさか。本当に押入れから出てきた訳じゃないよね?
「す、すいません!番長!!今日番長の所に女が来るって噂があって確かめてこいって…」
「聞く耳を持たないな」
云業の襟首を掴んで窓から投げ飛ばしておいた。一階に戻ると今福が駆けよってくる。
『何か話し声が聞こえた気がしたんですけど…』
「何もいなかったよ」
『で、でも神威さんの』
「何もなかったって言ってるだろう?」
『なら…いいんだけど』
「やっぱりセコムしといた方がいいのかな…」
『やっぱ何かいたんじゃないですか!!』
小さい声で言ったはずだったけどどうやら聞こえてしまってたらしい。
第3日目
押入れと不法侵入者
(ていうかさん付けしなくていいよ、敬語とかもカタッ苦しいの好きじゃないし)
(わかった!じゃあ私のことも名前で呼んで下さい!)
(志乃、敬語)
(…あ、頑張ります…)
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