或る愛の物語

□気まぐれ猫に御用心
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(元カレとエッチしちゃったなんて千に言ったら、また安い女やってんなって言われちゃうな…)


平日の昼間、私はショッピングモールの中のコーヒーショップで苦笑いを浮かべながらアイスコーヒーを飲んでいる。

寒かった冬が終わり気温が高い日は軽く汗ばむ季節になった。

新作の服やバッグを見て気に入った物が買えて満足した私はアイスコーヒーで喉を潤しながらここ最近の事を考えていた。


(なんだか…私すごい最低な事してるよね…)


仕事先のオーナー。

元カレの千景。

そして総司。


合間や時間をぬってはこの3人と代わる代わる肌を重ねている。


ただ…。


やっぱり連絡をもらって一番嬉しいと言うか…優先したいのは総司で。

だったらオーナーや千景とは関係を切るべきなんだろうけど、総司は彼氏じゃないし他に遊んでる女の子だっている。


私が総司を縛れないように総司だって私を縛る事なんて出来ないんだ。


それは他の2人も同じ。

オーナーからもちゃんと付き合ってくれと言われたわけじゃないし、千景だってそうだ。


(私ってどうしたいんだろう)


カラン、とアイスコーヒーの氷が音を立てる。

これ飲んだらもう行こう…とグラスを手にとろうとしたら、バッグの中からメール着信音が鳴り出した。
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