或る愛の物語

□物語の始まり
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待ち合わせ場所についてほどなくすると千が小走りに駆け寄ってきた。


「先週ぶり〜!」


千が私にギュウッと抱き着いてくる。


「奈理子〜会いたかったよ〜。奈理子は?」


「はいはい。私も会いたかったよ」


千はすごい甘えたさんで猫みたいにすりよって甘えてくる。

でもそれがいつも可愛いんだよね。



千と合流すると私達はゲームセンターに向かって気が済むまでプリクラを撮ったり、ゲームをしたりして遊んだ。

楽しい時間はあっという間で気づけば夜の11時になろうとしている。


「ね、そろそろ行こっか」


千がニコニコしながら私の腕に腕を絡める。


「そうだね。今夜はいい男と出会えるかな」


そう笑い返しながら言うと私より少し背の高い千の肩に頭を乗せた。


「それじゃ…いい男探しに行くぞー!」


意気揚々とゲームセンターを出た私達はいつものように夜の街をさまよう。

また身を焦がすような恋が出来る人を探して……。



















数人の男の人に声をかけられたけど、今日は何だか気乗りしない人ばっかりで。

私と千はコンビニで買ったコーヒーを飲みながら今日声をかけてきた男の人について話をしていた。


「今日は何だかね〜…。もう帰る?」


腕時計を見ると時刻は深夜1時になろうとしている。

私は小さく息をはくと「そうだね」と言ってコーヒーを一気に飲み干した。


「お腹すかない?何か食べに行こうよ」


「え〜太る。でも確かにお腹すいた!」


千とファミレスに向かって歩き出した時。



「ねぇ」



と声をかけられた。
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