岩男BL

□ぬくもり
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僕には時折、言いようがない不安感と孤独感に襲われる夜がある。
そんな時に決まって自室に来る僕の恋人。

「バブル、今日は俺に添い寝してくれないか?」

「……別に、好きにしたら」

わざわざ下手に出るメタルが可笑しくて、でもきっと「お前の為に」云々なんて言われたら追い出していただろう僕の性質を、よく理解していた彼に。
こういうタイミングだけはかちあう所が、本当は嬉しい、本当はすごく、抱き着いてお礼のひとつでも言いたかったけどコレが手一杯だった。

まぁ、僕が返事をしただけでもかなりの進歩だけど。今だに恥ずかしいんだよな……甘えるのが。

「ふふ、お言葉に甘えさせて貰おう。じゃあ隣、失礼するよ」

ふわり、と包み込む様にメタルが僕を抱きしめたのが微かな機体熱で解る。

「!……ちょっと、……ッドコ触ってんのさ」

「ん?言わせたいのかい?まぁお前の性感「っ……変態。僕、眠いんだからね。シないよ、それでもイイなら勝手に触ってれば?」

「断られてもそうするつもりだったから大丈夫だ。なんか柔らかいから気持ちいいんだよ」


……遠回しにデブって言われた気分。まぁ水中に居るのがデフォルトだから僕は他機体よりも確かに人工皮膚やクッション材料も人間の脂肪に近いけど。
わさわさと摩る様に、僕の機体をなぞりながら楽しむように強弱をつけて色んな場所を弄るのは本当にヤメテ欲しい。ちょっと、気持ちイイから困る。流されそうで。

でも仕掛けてきてる癖に背中越しにメタルのコア駆動音が平常時よりもだいぶ高まっているのがわかって、安心感を覚える。

どきどきしてるの、別に僕だけじゃなかったんだって思えるから。

途端に言い訳に使ってたはずの睡魔が急浮上

「んうっ……ん〜?……っ……んッ」

でも機体から伝わる起伏のある快楽信号も相変わらず受信していて、沈む意識と競り上がる性欲が無駄にコアを早く動かしていた。

「俺、続きしたいんだが……」

「……んーぅ??やだぁ……っ、ねむいよぉ……」

一瞬だけハッとした様な顔をしたけれど、諦めたのか再び自分の元に抱き寄せて動きを止めた。
別にメタルが嫌いな訳じゃないんだけど、実は僕何時間かのまともな睡眠取れそうなの久しぶりなんだ。

頭の近くでメタルの微かなため息が聴こえた気がしたから、心の中で僕は「ごめんね?でも、ありがとう」と呟く。
ある意味寸止めな訳で、ソレがかなり辛いのは一応解ってるつもりだ。

変な話無理矢理でもヤれなくはない状態で、僕の為にため息でなかった事にして自分も眠ろうとする優しさに、ちょっとくすぐったくなる。

墜ちていく意識。
あぁ機体熱とコアの断続的な音がとても落ち着く。


…泡sideEnd…
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