この世界

□7/20〜23「彼女の真実」
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走る、走る、ただひたすら走る、彼女と親友の元へ・・・







第3話彼女の真実















もう走り続けてどれがぐらいたっただろう、回りの景色が溶ける程の速度で走る俺がそう思ったのは走り出して10分たった頃だった、それほどに時間がたつのが遅く感じる。速く・・・もっと速く・・・!


さらにそれから10分、ようやく当麻と合流する場所の公園に着いた
そこで俺が見たのは、悔しそうに拳で壁を殴り付けている当麻の姿だった




当麻side

「くそっ!」

ダンッと公園にある壁を殴る、魔術師を退けた俺はインデックスの怪我を治す為に小萌先生の家に向かった。インデックスの怪我を見た小萌先生は驚いていたが戸惑いながらも怪我の治療をするのを約束してくれた、小萌先生にだけやらせるのは悪いので俺に何か出来る事はないかとインデックスに聞いたが

『―――ありえません。この場における最良の選択肢は、あなたがここから立ち去る事です』

インデックスは機械のような単調な声でそう言った、俺もインデックスに出来る事をしたかった。だけど今ここで俺に出来る事は一つ、インデックスの前から立ち去る、それしかない

小萌先生の部屋を立ち去った俺はフラフラと歩いていた、気がつけば公園に着いていた。そして今に至る

「くそっ!くそっ!俺は何も出来ないのか・・・!」

自分の無力さに思わず壁を殴る

「俺は傷ついている女の子一人助けられないのか・・・!」

この右手はムカつく魔術師を殴る事、神の奇跡だって打ち消せる事が出来るのに、たった一人の女の子も救えない。

「くそっ!くそっ!くそっ!くそォォォォォォオオ!!」

力の限り壁を殴ろうとしたその時、パシッと俺の拳が後ろから誰かに止められる。誰かと思い振り向くと、俺の親友の直人が怒りの表情で俺を見ていた



直人side

「テメェはなにしてんだ、当麻」

当麻の拳を止めた俺は若干ドスのきいた声でそう聞いた

「何でそんなに自分を責めてる、何があった、話せ」

「・・・ああ」

―――――――――――
――――――――
―――――
―――
――



「なるほど、そう言う事か」

当麻の説明はこの世の常識を疑うような事ばかりだった

「存在した魔術師、ルーン、それに「魔女狩りの王」〈イノケンティウス〉か」

どれもこれも信じられないようなものだった、が当麻はそれを見て感じた。だったらそれは真実で現実なのだろう

「それでお前は傷ついたインデックスに何も出来ない自分が悔しい、と」

コクリと当麻は頷く。ハァ、コイツは本当にどうしようもない位優しいな

「お前はバカか」

「は?」

当麻は驚いて満点大笑いが取れるような顔をする

「人一人の力なんてそんなもんだ、誰だって何でも出来る訳がない得手不得手っていうもんが誰にだってある。お前はそんな事も分からないのか?」

「あ・・・」

「それにお前はちゃんとインデックスを守れたじゃないか、お前の右手は無力なんかじゃない。お前の右手は人を救う最高の手だからな」

「直人・・・」

「今俺達が出来る事は一つ、インデックスの無事を祈る事だ。信じようぜ、インデックスの信じる神様って奴を」

俺は笑ってそう言う、当麻の表情も柔らかくなる

「そうだな、信じてみるか神様を」

「ああ、もし神様がインデックスを見放したら。助けてやろうぜ俺達の手で、この手であいつを地獄から引き上げようぜ」

誰が相手だろうと関係ない、俺達に倒せない敵はいないからな!

「ああ!もちろんだ!そのときは頼むぜ、直人!」

「勿論だ、当麻」

そう言って俺達は拳を合わせる、絶対に助けてやるよインデックス、俺達の能力(ちから)で!
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